卒業生インタビュー
ALUMNUS INTERVIEW
alumnus interview
卒業生インタビュー
タイガースポリマー株式会社
武部 蒼さん
Q
応用化学科を選んだ理由
A
高校時代に化学を好きになったこと、そして化学を通して世の中に役立てられることを成し遂げたいと思ったからです。ただ具体的な目的があったわけではないので、幅広く化学について学べると感じた応用化学科を選びました。
Q
大学生活のエピソード
A
大学生活ではとにかくご飯をたくさん食べていました。空腹では勉強がはかどらないので、学食では必ず大盛りを頼み、バリバリ勉強していました。ただ食後すぐは眠たくなるので、A2号館の図書館でこっそり寝ていました。
Q
応用化学科のおもしろさ・魅力
A
分析化学から、無機化学、有機化学、生化学など幅広く学べることが魅力です。
大学前期では化学と生物に興味があったので、分子生物学などを勉強していましたが、3年生ごろから有機化学に強く興味を持ち始め、研究室も有機化学の研究室を選びました。最初から一つの分野に絞ることなく選べることが面白いと思います。
Q
所属ゼミ・卒論テーマ
A
折田・奥田研究室に所属していました。卒論テーマは「Magic blue を一電子酸化触媒に用いたイナミンとフタラジンとの脱窒素型環化反応」であり、多環芳香族アミンという化合物の新しい合成法に取り組みました。この化合物は有機ELや太陽電池材料として有用であるものの、従来の合成法では希少なPd触媒を用いた方法で合成がなされています。そこをMagic blueという触媒での合成にチャレンジし、成果を残すことができました。
Q
就活のエピソード
A
就活は3年生の初め頃から意識し始めましたが、積極的に進めてはおらず、コツコツ自己分析を進めていた程度でした。就職先はゴムシートの製造会社で、研究室の教授の紹介で選びましたが、化学に携わる仕事が希望だったので、毎日とてもやりがいのある仕事で満足しています。
Q
今の仕事について・学生時代の経験
A
品質管理という業務にあたっています。品質管理は毎日製造する製品の物性や製造状況を確認し、不良品の発生・流出を防止する役割を担っています。
私が大切にしているのは現地現物を確認することなのですが、日々同じものを生産していても、原料や設備、作業者のコンディションなど、変化点が多々あります。そのような変化点に注視し、日々の業務に取り組んでいますが、この心構えは学生時代に、とくに研究室での実験中に養うことができたと思っています。薬品の秤量、実験器具の確認、反応の状況、解析など、結果につながる過程の観察が大切だと学びました。
試薬や反応条件を変えてみると、生成物の収量が変わったり、色に変化が見られたり、一つ一つを観察し、まとめることで成果として卒業論文に残せた経験は、振り返ってみてとても充実したものでした。
また、それらの経験は今の仕事につながるものであり、良い経験になっているなと感じます。
Q
今後の目標
A
今後の事はあまり考えていないのですが笑、仕事に関しては、品質向上にかかわる要因において、改善事項がまだまだたくさんあるので、職場のさまざまな人を巻き込んで、邁進していきたいです。また設備やデータ分析の知識があれば効率的に仕事が進められるので、化学以外にも機械・統計の知識も増やしていきたいと考えています。
Q
印象に残った講義や先生の言葉
A
3年生の時の応用化学実験が印象に残っています。中でも有機化学の実験は解熱鎮痛剤のアセチルサリチル酸を合成したり、ルミノール反応を観察したりと、身近な薬品を扱う実験や視覚的に面白いと思える実験が多く、折田先生と奥田先生の説明もとてもわかりやすかったので、印象に残っています。
Q
応用化学科を目指す後輩に一言
A
化学について学びたいけれど、具体的に何を学べばよいかわからない方であればおすすめできます!おもしろい講義や実験がたくさんあり、その中には今後の人生に活きてくるような内容のものもあるかもしれません。ただ、受動的に講義を受けるだけではなく、講義で知ったこと、気になったことに興味を持ち、自分自身で調べることが大切なのかなと、自分自身の学生生活を振り返ってみて感じました。講義を受けることは大切ですが、そこから一歩踏み出して、自分の興味あること、ものを自分自身の手でつかみにいってください!