研究内容

研究内容

1. アセチレン誘導体の新規合成法の開発
二重脱離反応−スルホンとアルデヒドを原料に用いたアセチレン合成法を開発.

二重脱離反応は大きく歪んだアセチレンの合成にも有効.


Ph2P(O)保護基−末端アセチレンの高極性な保護基を開発.ホスホリル基の高い極性を利用することで目的生成物を容易に単離することが可能.
2. 機能性有機材料の開発
自己集積化−ベンゼン環上を部分的にフッ素化したフェニレンエチニレンを合成した.これが金属基板上で水素結合により自己集積化することを確認(Basel大学 川井 茂樹博士との共同研究).


                                        ACS Nano 2013, 7, 9098.
反芳香族化合物−環状アセチレンが有する環歪みの解放を駆動力にしたペンタレン合成法を確立.


太陽電池色素−アセチレン系色素を利用した色素増感太陽電池を開発.l光電変換効率は5%を達成
(産総研 甲村 長利博士との共同研究).



有機トランジスタ材料−ベンゼン環上をフッ素で置換したフェニレンエチニレンを合成.これがn型トランジスタ材料とし駆動することを示した(九州大学大学院 安達 千波矢教授との共同研究).


有機EL発光材料−フェニレンエチニレンとオレフィンとのハイブリッド型共役分子を合成.これが青色発光色素として機能することを示した(九州大学大学院 安達 千波矢教授との共同研究).

3. 有機スズを用いた有機合成
有機スズは空気中で取り扱うことができるマイルドなルイス酸である.また,スズ上の置換基を変えること反応性や溶解度ををチューニングできる.

炭素−炭素結合生成反応−特異な溶解性を利用することで,有機スズ触媒の回収・再利用に成功.

                                          Adv. Synth. Catal. 2010, 352, 1419.

トランスエステル化反応−フルオラス溶媒への高い溶解性を利用することで,有機スズ触媒の回収・再利用に成功.

                                               Adv. Synth. Catal. 2002